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リチウムイオン電池の基礎

 


[ 目次へ] 10. 放電特性カーブの見方  
11. セルバランス
12. メモリー効果と継足し充電



11. セルバランス

リチウムイオン電池に限らず、一般的に電池には内部放電(自己放電)があり、これをゼロにすることはできません。
二次電池の中ではリチウムイオン電池はニッカド電池やニッケル水素電池に比較して、内部放電の非常に小さな電池ですが、 それでもゼロにすることはできません。自己放電電流が大きいと、充電電池を放置したときに、電圧の低下(充電量の低下)が大きくなります。(自己放電の小さな電池には酸化銀電池やリチウム一次電池などがあり、時計、カメラなどの用途に使われています。)

18650サイズの円筒型リチウムイオン電池で自己放電電流は、典型的には図1の程度となります。これは室温の場合で、アウレニウスの法則により、温度が10℃上昇すると、値が2倍になるといわれています。筆者は実測したことはありませんが、温度が高いほど自己放電が大きいということは経験しています。 さて、この自己放電量は典型的な場合であって、個々の電池セルにより自己放電量が異なります。 特に放電量の大きなものはセルの電極内に微小な金属屑が混入し、その金属くずがセパレータを貫通して、微小なショート状態が作られていることがあるようです。 このようなショート状態はマイクロショートと呼ばれています。 この状態は大きな電流が流れるとその発生熱によって金属屑が無くなってしまうため、電極間の完全なショート状態に至ることは無いといわれています。

【 図1. リチウムイオンセルの内部放電量 】

さて自己放電が大きなセルであっても、携帯電話等、単セルで使われる場合はユーザに認識されることはほとんどありません。もちろん、充電した後、使用せずに長時間放置されれば、電圧が低下するため、自己放電が大きいことがわかりますが、充電、放電を繰り返している場合は自己放電による容量の減少は機器の使用による容量減少に比較して非常に小さいものであり、ユーザには意識されません。

自己放電の大きさが問題となるのは、セルを直列に接続し、電圧を上げたパック(多直パック)にした場合です。容量1000mAhのセルAとBを2直列にしたパックを例に説明しましょう。自己放電電流Aは50μA、Bは250μAであるとします。さて、AとBのセルは、製造時点では同一の充電量であるとすると、電池パックの製造時は電池パックとして1000mAhの容量を持っています。これが3ヶ月経過すると、AとBでは自己放電量が200μAの差があるため、Bの充電量はAの充電量に対して、200μA×24時間×30日×3ヶ月=432,000μAh=432mAhだけ小さくなってしまいます。このような電池パックを放電させると、セルBはAよりも早く2.3Vに到達し、保護回路の過放電保護機能が作動して放電を止めます。充電がなくなったので、ユーザは電池パックを充電します。この時はセルAが先に4.35Vに到達し、保護回路の過充電保護機能が作動して充電を止めてしまいます。結局、この電池パックは1000mAhではなく、約568mAhの容量しか使えなくなってしまいます。3ヵ月後も自己放電の差は継続するので、時間とともに、ますます充電量差が拡大し、7ヵ月後にはセルAが4.35V、セルBが2.3Vという状態になり、パックは完全に容量を失います。

このような事故を防止するために、セルメーカーは通常、セルのエージングを行います。セルの満充電状態で例えば1ヶ月間放置し、放置後の電圧を測定し、電圧低下の大きなセルを不良と判定します。実際には放置期間を短縮するために、高温で保管をしたりするようです。放置条件と、不良判定をする条件はセルメーカーごとに異なります。このような選別検査を行っても、自己放電量の大きなセルが混入することは避けられません。基本的には、どこのセルメーカーのセルであれ、自己放電のアンバランスは必ずあります。

経験的に、問題となる自己放電の大きなセルはppm(100万本に1本))オーダーです。1ppmのセルが自己放電に問題があるとすれば、ノートパソコンのパックでは3本ないし9本のセルが入っているため、3〜9ppmのパックが問題を起こすことになります。これは実用的には許容しうる品質レベルであると判断するのが通常です。

更に大規模な電池パックになると、かなりの頻度で自己放電トラブル(早期のパック容量低下)を起こすことになります。これを避けるため、使用セル数の大きな直列パックではセルアンバランス補正を行うことが推奨されます。セルアンバランス補正とは、自己放電量の差により、パックの中でセル電圧の差ができたときに、自動的にその修正を行う回路であって、たとえば、放電末期に電圧の低いセルをバイパスして、放電させない回路方式とか、充電末期に電圧の高いセルをバイパスして、電圧の低いセルのみ充電してやる、というような回路方式で自動修正が行われます。

弊社では、セル数が10本程度のパックまでは、パックに使用するセルを同一ロット内に限定し、かつ、直前にセルの電圧を測定して、一定の電圧差以内にあることを確認して使用しています。また、セル数が大きなパックではセルアンバランス補正回路を組み込むことを基本としています。




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